学長挨拶
危機感を持って工学系大学における男女共同参画に取り組みます
長岡技術科学大学は、「科学技術の在り方とその社会的役割について常に考えながら、人類の繁栄に貢献し得る新たな技術の開発と、これを担う実践的・創造的能力を備えた指導的技術者を養成すること」を基本的理念としています。その理念を受けて、「長岡技術科学大学男女共同参画推進基本計画」(平成31年3月6日制定)は、本学の女性教職員や女子学生が、現在及び将来において真に活躍できる環境や社会を実現することも、本学の責務であるとしました。
多様な人材を生かせずして組織や社会の持続可能性はありえない
国の第5次男女共同参画社会基本計画は、今が、一人一人の幸福と我が国の経済社会の 持続的発展を確保することができるか否かの分岐点であり、危機感を持って、男女共同参画に取り組む必要があることを強調しています。
また、グローバル化が進む中、情報技術や電子工学、機械工学等の分野の人材獲得競争が世界的に激化しており、OECD諸国では女子学生の理工系進学支援が促進されています。
本学の女性比率は、学部9.5%、修士8.9%、博士後期課程24.7%、教員11.4%(2021年3月31日現在)という状況です。女性教員比率は、2018年の8.8%から向上しつつありますが、女子学生の比率はほとんど変わらず、ジェンダー平等に向けての大きな課題となっています。
工学・工業分野における男性中心型慣行からの脱却
先行する多くの大学や研究機関、企業等や行政機関から学ぶと共に、地域の皆様をはじめ多くの方々からの ご支援とご協力を賜りながら推進して参る所存です。女性が工学・工業分野に進まない現状を打開するため、様々な障壁を取り除く努力をしてきました。その一つが受け入れる側の教職員の意識改革です。固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が存在していることの認識とその改善に関する研修を重ねています。また、家事・育児・介護等を男女が共に担いながら、仕事と生活との調和(ワーク・ライフ・バランス)を可能にする支援制度を整えてきました。
地域社会との連携
地方では深刻な少子高齢化に直面しており、さらに男女共同参画の取組が不十分な地域は、特に女性を中心として人材流出が続く可能性のあることも指摘されています。性別や国籍等を問わず、誰もが能力を発揮して働ける環境の整備や意識改革を、産学官金で連携して進めていくダイバーシティ・コンソーシアム構想を進めているところです。
ますます、多くの方々のご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。
長岡技術科学大学長 鎌土 重晴