室長挨拶
令和の新たなものづくり -ダイバーシティ環境を目指しませんか -
長岡技術科学大学 学長補佐(男女共同参画担当)
男女共同参画推進室長 髙口 僚太朗
日本のみならず世界中が新型コロナウィルスの脅威にさらされ、1年前は当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなってしまったポストコロナの時代を生き抜くため、私たちは大きな社会システムの変革を迫られています。OECDが発表するジェンダー平等の順位について日本は121位と非常に低く、男性中心のモノカルチャーな社会構造やそこから生まれる思考から抜け出せないことが日本の生産性や経済活動の発展を妨げているのではないかと考えられています。私たち工学部の世界であっても、先の見えない世の中で新しい発想、新しい価値観を作り上げていく過程では、女性や国籍の異なる人々、異分野の人たちが集まったダイバーシティ環境で、ものづくりを進めていく体制が必要ではないでしょうか。本学ではダイバーシティ感覚を身に付けた実践的技術者の育成とそのための大学内の体制作りを目標として、平成30年に男女共同参画推進室を、本年令和2年には男女共同参画推進委員会を設立致しました。
現状、日本における女性技術者の割合が低いことは大きな問題です。図にありますように、女性技術者割合は9.2%(男女共同参画白書平成30年版より)と中学の時は男女ほぼ同じ割合のはずが、学歴やキャリアを経るに従ってパイプから水が漏れていくように女性割合は減っていきます。工学系では特に顕著で、多様な能力や価値観をものづくりに活用するためにも女性割合の増加が必要です。この問題の本質は根深く、ただの嗜好の問題だけではないことは明らかです。この問題を解決するためには、女性割合が低い原因を解き明かし、根深い問題のもつれた糸を一つ一つ解きほぐす過程と対策が不可欠です。
本学では、開学以来国際交流は盛んに行われており、学術交流協定100機関以上で、博士学生に占める留学生割合は50%を超えます。一方女性はと言いますと、全女子学生の割合は10〜11%とここ10年ほぼ横ばいが続いています。また女性教員割合も8.4 %と低い状態です。男女共同参画推進室では、女性が学び続け、技術者を選択する、もしくは研究を継続できる環境を整備するため、出産・育児等のライフイベントを支援する体制を少しずつ整えて参りました。さらなる支援体制の整備と、管理職の立場にある教職員から学生に至るまで幅広く意識改革を進めるため、これからも活動してまいります。
令和6年4月1日
組織図
男女共同参画推進室の歴史
令和3年度 | 9月 10日 | ダイバーシティ推進の取組実態に関するアンケート調査(対企業105社、対従業員242名)実施 |
6月 23日 | 管理職研修(FD研修会)「偏見と炎上のメカニズム~炎上CMや失言は何が問題だったのか~」を開催(講師:瀬地山角氏、参加者数:158名) | |
6月 18日 | 学長と各専攻とのワーク・ライフ・バランス懇談会を開始 | |
5月 24日 | 第2回ワーク・ライフ・バランスアンケートを実施 | |
令和2年度 | 2月 17日 | 第1回「優れた女性研究者賞」表彰式を開催 |
12月23日 | 「女性研究者・技術者による研究交流会」(オンライン)を開催(34名参加) | |
11月 20日 | ベビーシート第1号を多目的トイレに設置 | |
7月 22日 | 連携機関でアンコンシャス・バイアス研修会(オンライン)を開催(189名参加) | |
4月 | 男女行動参画室、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブのホームページを立ち上げ | |
令和元年度 | 2月 28日 | 第1回ダイバーシティ外部評価委員会を開催 |
〃 | 第1回連携機関・協力機関会合を開催 | |
9月 25日 | OGによる女性学生対象講演会・茶話会を開催 | |
9月 13日 | ダイバーシティキックオフシンポジウムを開催 | |
8月 | 2019年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業 (牽引型)」採択 | |
平成30年度 | 3月 22日 | 学長と女子学生との懇談会を開催 |
3月 7日 | 学長と伹野茂氏(函館工業高等専門学校長)との対談 「女性研究者支援に向けて」を実施 | |
2月 27日 | 学長と女性教職員との懇談会を開催 | |
6月 6日 | 長岡技術科学大学男女共同参画推進室設置 | |
〃 | 男女共同参画推進室ワーキンググループ設置 | |
平成29年度 | 3月 29日 | 豊橋・長岡両技術科学大学教育研究集会にて男女共同 参画セッションを開催(長岡会場) |
3月 6日 | 学長と女性教職員との懇談会を開催 | |
1月 15日 | 「男女共同参画セミナー」基調講演とパネルディスカッシ ョンを開催 | |
平成27年度 | 9月 | 新潟大学ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ (連携型)参加型協力機関として取組開始 |
5月 30日 | 「ロボットに触れて未来を語ろう」(市民)を開催 | |
平成25年度 | 10月 19日 | 「夢をかなえる生き方のヒント」(中学・高校生、父母対象) の講演・パネルディスカッションを開催 |
平成23年度 | 12月 17日 | 第2回「女子・高専・技大コロキアム」@長岡技大開催 基調講演・分科会 全国32高専から67名の女性教員・ 女子学生が参加 |
平成22年度 | 3月 11日 | 「女子・高専・技大」コロキアム@長岡技大開催 基調講演、パネルディスカッション |
8月 30日 | 女性教職員と男女共同参画推進委員との懇談会実施 | |
5月 17日 | 社会福祉法人清泉会深沢保育園と女性教職員および出産後の 職場復帰時の乳幼児の優先的保育を開始 | |
〃 | 「長岡技術科学大学の男女共同参画推進について」策定 | |
平成21年度 | 1月 13日 | 男女共同参画推進委員会設置 |
「第2期次世代育成行動支援計画」策定 | ||
平成17年度 | 「第1期次世代育成行動支援計画」策定 |